日本語と英語のズレ(7)《執筆A.Y.》

「人口」とpopulation

populationと英和辞典によく示されている「人口」「全住民」では意味範囲にズレがあります。

英語ではThe dolphin population has been decimated by tuna fishing.のように動物にも用いる用法が確立していますが、日本語では「人」という要素によって語全体の意味の拡張が抑えられています。

またpopulationは、地域と直接関係なく年齢などある特徴を共有する集団に対してもかなり自由に用いることができる点でも「人口」よりも適用範囲が広いといえます。The singer is liked by the teen-age population.

「隣人」とneighbor

この場合も英語の方が意味範囲が広いようです。

日本語の「隣人」は「となり近所の人」の意味に限定されますが、英語のneighborはThe French make more films than their European neighbors.に見られるように「となり(または近く)の国の人」の意味もあります。

さらに「となり(または近く)の人・国・物」の意味にもなります。

The teacher saw him passing a note to his neighbor.(隣の席の人)、The USA is Canada's only neighbor.(隣国)、The giant tree deprives its smaller neighbors of sunlight.(近くにある物)

「にわか雨」とshower

showerは短時間降るものを指し、雨だけでなく雪・あられ・みぞれなどでもいいのであり、「にわか雨」ほど限定されていません。

「にわか雪」のときはa snow showerといいます。

また、「にわか雨」は降り出しが急である点、つまり開始の時点に注目した語ですが、showerは継続時間の短さに着目した語です。

「誠実な」とsincere

「誠実な」「正直な」「裏表のない」という訳語を眺めると、sincereは人間の恒常的な性格を指す語のように見えますが、用例を見るとそうではないことがわかります。

He seemed sincere enough when he said he wanted to help.

つまりsincereというのは、その場その場で変わりうる心の状態を指すのであり、本質的には性格とは関係がないことになります。

「感情や言動などに偽りのない、見せかけのない」ことがsincereの意味なのです。

ですから、上の例文は「彼は本当のことを/本心から言っているように見えた」ということです。

このようにsincereの意味を理解しておくと、次のような用例に出会っても容易に解釈できます。

his sincere desire to find out the truth/a sincere attempt to resolve the problem


「日本語と英語のズレ(8)」へ続く


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