日本語と英語のズレ(1)《執筆A.Y.》

「兄弟」とbrother

中学で英語を学び始めると、「兄弟」のことをbrotherといい、「姉妹」はsisterというが、英語には「兄」「弟」「姉」「妹」にそれぞれ相当する単語がないと教わります。

また、英語では「兄」「弟」の区別をしたいときはolder/elder brother、younger brotherと句の形で表わすが、実際はあまり用いないと説明されます。

このようにして、日本語と英語が1対1に単純に対応しないことを知ることになります。

このbrotherについて日本語と英語の意味上のズレを、もう少し見ていきます。

ある英英辞典ではbrotherはa male who has the same parents as another personと説明されています。

We're brothers.では日本語でも「兄弟」とするしかありませんが、He's my brother.やMy brother lives in Washington.のような例文では「兄弟」と訳すだけでは日本語として何かいまひとつしっくりこない感じがします。

「彼は私の弟です」とか「私の兄はワシントンに住んでいます」などとなって初めて日常的なレベルの日本語の文といえるでしょう。

英和辞典でbrotherの項を見ると、「(男の)兄弟;兄、弟」といった訳語が載っています。

sisterも含めて「同じ両親から生まれた人」を表わす日英両語の関係をまとめると、日本語では「同じ両親から生まれた男性/女性」を「兄弟/姉妹」といい、そのうちの「年長」の者を「兄/姉」、「年少」の者を「弟/妹」というのに対して、これら6語の日本語すべてを英語ではbrother/sisterの2語で表わします。

日本語では年の上下による区別をしますが、英語の2語は、単に男女の別を示すだけなのです。

さらに、日本語では、実際には女性について述べるときにも「きょうだい」を用いるのが普通なので、日本語の「きょうだい」はbrotherとsisterに対応していると言えます。

日本語では「男のきょうだい」「女のきょうだい」という言い方が通用しますし、「きょうだいは何人ですか」を英語でいうには、男女を別にしてHow many brothers and sisters do you have?と問うしかないのです。

ちなみに英語にも男女の別なく用いられるsiblingという語がありますが、専門的な語であって一般には使いません。

brotherについて他に注意すべき点を挙げておきたいと思います。

日本語では兄に向かって「兄さん」と呼びかけますが、英語のbrotherは自分の兄弟の呼びかけには用いません。

呼ぶときには個人名で呼びます。

それから、I have three brothers.は「私には男の兄弟が3人います」ということですが、これは本人を除いて数える、つまり自分以外に3人いるということなので、話し手が男性ならば「私は4人兄弟です」という訳にもなります。


「日本語と英語のズレ(2)」へ続く


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