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日本語と英語のズレ(8)《執筆A.Y.》

「川」とriver

「川」=riverと考えられることが多いのですが、riverは「川」よりも限定されて、他の小さな川から水を集めて、直接海や湖などに流れ込む比較的大きな川のことを指します。

小さな川はbrookや、それより大きいstreamなどで表わします。

ですから、Can you jump across the stream?とは言えますが、このstreamの代わりにriverは使えません。

「丘」とhill

この両者も大きさの点でズレがあります。

hillは「丘」よりも広い範囲のものに言及し、地域によってはかなり高いものについていうこともあるのです。

例えばアメリカのthe Black Hillsと呼ばれる山の最高峰は7,242フィートもあります。

ですから、hillの中には日本語では「山」と呼ぶのがふさわしいものもあるのです。

「風」とwind

日本語の「風」は快・不快に関係なく、例えば「寒い風」とも「涼しい風」とも言えますが、英語のwindはもっぱら不快な場合に用い、a cool windとかa gentle windとはふつう言わないとされています。

それだけ意味範囲が狭いわけで、それを補う形で快い風を表わすのにbreezeという語があります。

一方日本語の「微風」や「そよ風」はあくまでも「風」の一種です(しかし、英語でもその区別は絶対的とは言えないかもしれません。

英英辞典ではbreezeを説明するのにa gentle windとかa light and pleasant windなどと定義しているからです)。

「車」とcar

英語のcarには、日本語の「車」とは異なり、ふつうバスやトラックは含まれません。

全体を含めた「自動車」に対する総称的な語はmotor vehicleです。

また、「車」は広い意味では他に荷車や人力車など車輪で動くものに用いることができますが、carの方は、列車の車両の他に、車輪のないエレベーターの箱や飛行船や気球、ロープウェーのゴンドラなどにも用いられます。

「星」とstar

日本語の「星」は、一般的には、天体のうち、太陽・地球・月を除いた恒星・惑星・彗星・衛星などの総称として使われます。

一方英語では、厳密にはplanet(惑星)、comet(彗星)、satellite(衛星)などはstarとは言いません。

「いす」とchair

chairと「いす」は、腰掛けて座るための家具という点で等しいと考えられがちですが、英語のchairは1人用で背もたれのあるものに限定されています。

背がないものはstool、2人以上のものはbenchとかsofaと言われます。

日本語ではこれらのいずれも「いす」と言えます。

区別するときは「丸いす」「長いす」のように複合語の形をとります。

しかし、日本語にはchairに対応する特別な名称はありません。


「日本語と英語のズレ(9)」へ続く


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