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読解における音読の重要性《執筆A.Y.》

音読には、2つのプロセスが関係しています。

1つは、書かれた文字を音声化するというプロセスであり、もう1つは意味を汲み取るというプロセスです。

この両者は一見切り離すことができないという印象を与えますが、実は独立したプロセスとして考えることができます。

実際、意味を理解せずに音声化するという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

ある研究によると、学習者はうまく音読しようとすると、そちらに注意が向いてしまうため、内容の理解が妨げられるといいます。

そのため、黙読で内容をしっかりと把握したうえで、音読すべきだというのです。

つまり、黙読による理解と音読を区別する重要性を説いているのです。

しかし、このことから読解の学習過程において音読は軽視してもかまわない、ということにはなりません。

音読であれ、黙読であれ、英語の語順どおりに先頭から意味をとっていく(日本語に訳すのではありません)能力を身につけることを、読解の到達目標の一つとすべきであることについては、おそらくだれも異論はないでしょう。

しかし、この直読直解が読解の目標の一つだとしても、それは初級レベルの学習者にとってはあまり現実的ではありません。

単語の意味や文法、構文がおぼつかない状態で、直読直解を期待するのは、まだ25メートルも泳げない段階で、世界水泳選手権での活躍を期待するようなものです。

直読直解というと、初見の英文を読み、それを同時に理解するプロセスだと考えますが、ある学習段階では、むしろ擬似的な直読直解の体験をするほうが有効です。

そのためにはどうしたらいいのでしょうか。

簡単です。それにはひたすら音読を繰り返せばいいのです。

ただし、意味理解の伴わない音読ではいけません。

まず英文の意味を理解します。

そのためには、辞書で単語の意味を調べる必要があるでしょうし、ときには日本語での説明(訳)が必要でしょうし、また文法の理解や文の構造分析も必要でしょう。

しかし、一通り意味が理解できたら、できるだけ日本語を介在させることなく、英文の意味のかたまりをとらえながらの音読に進みます。

このような音読によって書き手の思考過程を追体験することになります。

目安としては、英文の流れが自分にとって自然なものとして感じられるくらいを目指してください。

このように徹底的に音読の訓練をすることが直読直解へとつながっていくのです。


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