よくある誤り・中級者編・態(1)執筆A.Y.》

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*I was stolen my wallet last night.
→My wallet was stolen last night. / I had my wallet stolen last night.

「私は財布を盗まれた」という日本語に引きずられたことから生じた誤りです。

まず、stealは「steal+物+(from+人・場所)」という動詞型をとって「人が物を(ある人・場所から)盗む」という意味を表わします。

(a) Someone stole my wallet (from me).

ですから、盗まれた物(=財布)を主語にした、次の受動文は当然文法的な文になります。

(b) My wallet was stolen last night.

しかし、*I was stolen my wallet last night.という受動文は、能動文の(a)において動詞の目的語でもない「私」が主語になっているので非文法的な文になります。

しかも、「私」という人間が盗まれた対象になっています。

つまり、「私」が人間から物に意味的に格下げされているところにも奇妙さがあります。

一方、「財布を盗まれる」という事態を、その所有者との関係で表したいという欲求が出てくるのも当然です。

それが、次の構文です。

(c) I had my wallet stolen last night.

この構文は、人を表わす語を主語にしようとする傾向が近代英語になって強くなったために生じたもので、文の主語が「目的語+過去分詞」によって示される状態を経験するという意味を表わすことから、「経験の受動態」とも呼ばれたりします。

発音するときは、過去分詞に強勢が置かれますので注意してください。

(参考)

このような誤りが犯されるのは、次のような文との混同によるものだと思われます。

(d) I was given a watch for my birthday.

しかし、giveのような動詞とstealには動詞型の重要な相違があります。

giveは典型的に「give+人+物」という動詞型をとるのに対して、stealは前述の動詞型をとるからです。

(e) My uncle gave me a watch for my birthday.

(d)の受動文は、(e)の能動文において動詞の「人」目的語になっている「私」が主語になっており、余った「物」目的語のa watchがwas givenの後に残っていますから、これは文法的な文です。

しかし、*I was stolen my wallet last night.という受動文では、stealがgiveのような動詞型をとらないにもかかわらずwas stolenの後にmy walletが残っていて、いわばmy walletが構文上宙に浮いています。

ですから、そういう点でもこの文は非文法的な文といえるのです。


よくある誤り・中級者編・態(2)」へ続く

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