PCと英語表現(2)編集A.Y.》

PCの考え方に影響を受けた英語表現について、民族・人種、性別、障害に分けて簡単に見ていきたいと思います。

民族・人種

ある研究によれば、米国の黒人は、奴隷解放直後には自らをAfricanと呼ばれることを好み、その後Afro-Americanという呼称がよく用いられるようになったが長続きせず、その後Negroを経て、むしろ直接的なblackが多く使われるようになり、今では、African-Americanという呼び方がPCの立場から最も適切とみなされることが比較的多いそうです。

なお、日本の英字新聞における表現についてですが、ある英字新聞では、黒人を表わす表現として、blackもAfrican-Americanも普通に用いるが、Negroは歴史的な文脈の中においてのみ使うという編集方針をとっているということです。

性別

PCという概念が話題になるかなり以前から、MissやMrs.に代わる言い方としてのMs.や、chairmanならぬchairperson、statesmanならぬpolitical leaderなどは馴染み深いものになっていますし、heとsheをまとめて書いてしまうs/heなどの表現もずいぶん前から存在しますが、PCにおいては、性差別の回避を意識した言い方がさらに盛んになっています。

先にあげたwaitronなどもそのひとつであり、最近では日本の英和辞典でもこの語を載せているものがあります。

ただし、あまり一般的に使われている表現ではないことも確かです。

日本でも、航空会社が、長年親しまれてきた「スチュワーデス」という呼称を「フライト・アテンダント」に改めています。

PCについての評価はさまざまですが、米国・日本を問わず、やはり不可避的な流れがあるように感じます。

障害

米国のPC運動においては、従来のhandicappedやdisabledなどの表現の見直しが主張されています。

提案されている言い方としては、優劣の問題ではなく「違い」に過ぎないという考えに立つdifferently abledなどが代表的なものです。

このほか、handicappedの語をもとにポジティブな含みを持たせる表現を工夫したhandi-capableという造語、あるいはやはりポジティブな語感をもつchallengedと組み合わせたphysically challengedやmentally challengedなどをあげることができます。

physically challengedなどは実際にときどき見かける言い方です。

これらの新しい表現に対する人々の反応は複雑です。

例えば、differently abledという言い方はわざとらしいとして嫌う身障者も多いそうです。

また、physically challengedのようなあいまいな言い方では、激しい運動をしている状態との区別すらつかない、むしろcrippleのような直接的な表現を使うことによって、車椅子用のスロープやトイレの手すりのような設備の現実的必要性が浮き彫りになる、という指摘もあります。

そのほか。PCに関して米国人の間で非常によく読まれているのがThe Official Politically Correct Dictionary and Handbookという本で、基本的にPCを揶揄するような視点から書かれた用語集だということですが、アメリカ人がPCの語法として思い浮かべるのは、この本に挙げられているような表現だといいます。

oldにはネガティブな響きがあるのでchronologically giftedとしたり、身長に関してshortというのは失礼であるからvertically challengedとするといった例が挙げられています。

(終)

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