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文化の違い(1)執筆A.Y.

日本語を英語に直す、またはその逆に英語を日本語に直すというだけでは、英語圏の人々とのコミュニケーションはうまくいきません。

英語を、異なった文化を持った人々との交流のことばとして捕らえるとき、英語ということばを学ぶだけではだめなのです。

以下はその一例です。

アメリカで異文化間の問題に関心が集中した1960年代に、ある一つの大きな発見がありました。

南カリフォルニア大学でリーディングとライティングを教えていたRobert Kaplanという教授が、外国からの学生が書く作文にはその国籍によって固有のスタイルがあると主張したのです。

そして、Englishの思考パターンを直線に、日本人も含めてorientalの思考パターンを渦巻きに、図をかいて示しました。

文章のスタイルの違いがそれぞれの文化の思考パターンを表わしている、ということです(その後、少なくともその文化で習得した表現上の慣習を表わしている、とトーンダウンしました)。

そして、英語の思考パターンを、アリストテレス以来西洋文明の中で培われてきた思考の型であるとし、英語をいくら勉強してもこの思考形式をマスターしない限り英語での論文にならないとしました。

Englishの表現形式が直線であるということについて、ネイティブの話によると、高校のライティングの授業などを通じて、このような表現方法ができるように学習する、それができなければ、レポートでも論文でもAにはならないし、きちんとした大学には進学できないということです。

したがって、他の文化からアメリカへの留学生の成績は、いかに早くこの直線の表現形式に気がついて自分のものにできるかにかかっているといえます。

日本人も含めてorientalは、要点に直接行かないでまわりから攻めるスタイルをとります。

そのため、初めは何を言いたいのかわからず、終わりに近づいて、ようやく論旨の方向付けが見えてくることがよくあります。

しかも結論を言うこともあれば言わないこともあります。

結論は往々にして聞き手あるいは読み手にまかせられるのです。

これは同じ文化を持った仲間同士で発達した表現方法といえます。

これでは同じ文化の中では通用するかもしれませんが、違った文化を持った人たちとの交流、つまり異文化コミュニケーションでは役に立ちません。

相手が自分の思うように推察してくれるとは限らないからです。

異文化コミュニケーションにおいては、自分の意見を明確に、しかも論理的に発表することが必要です。

交流のための英語では、単に日本語を英語に直したり、英語を日本語に直したりするだけではダメなことは明らかです。

英語で発表し、意見を交換するためには、「パラグラフ・ライティング」を含め自分の意見をはっきりと表に出した英語式の表現方法をとらなければなりません。

以上はほんの一例ですが、英語学習において、異文化コミュニケーションの視点を持つことを忘れないようにしたいものです。


「文化の違い(2)」へ続く


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