TOEFLと日本人の英語力(2)執筆A.Y.

日本と言語的・文化的に多くの共通点をもつ韓国や中国と比較してみると、まず、韓国については、特に大学生の英語力において、日本との間に差があることを認めざるをえないかもしれません。

1995年7月〜1996年6月のデータによると、日本は受験者数144,572人、平均点499点、韓国は受験者数86,039人、平均点518点となっています。

韓国の平均点が日本の平均点を上回るようになったのは、1960年代後半から10年間に起こった韓国側受験者の成績の急上昇によるものだそうです。

この時期の急上昇の原因については、韓国の高度経済成長に伴い大学生の就職に実践的な英語力が求められるようになり、多くの大学がTOEFLの内容に合わせた授業を実施するようになったからだと言われています。

また、ご存知の方もいるかと思いますが、韓国では、小学校への英語教育の導入をはじめ、中学校や高校の英語カリキュラムも整備拡充が進んでおり、国を挙げてのこのような取り組みも間接的な原因でしょう。

次に中国については、前述のデータによれば、受験者数58,240人、平均点556点で、日本との間に50点もの差がついていますが、これは中国の全人口を考えれば受験者数が少ないことで説明がつくでしょう。

中国の教育の普及度を考えると、大学生や大学教員はいわゆるエリート集団です。

彼らが留学する際には語学訓練センターで徹底した研修を受ける制度になっていて、そのような人たちの中からTOEFLの受験者が出ているとすれば、その結果が高いものになるのは当然です。

今では気軽に何度も試しに受験することができる日本人受験者とは始めから違うのです。

このように、中国のTOEFLの受験者はかなり特別で限定されているので、それを単純に日本と比較して日本人の英語力のレベルを問題にするのは不適切だといえます。

さらに、前述のデータをもとに地域別受験者の成績の違いをみてみると、英語と言語系統的に近い言語を母国語とするヨーロッパ諸国と、植民地経験を持つ国(旧英領・米領国)の成績が上位にきています。

このような傾向は現在も変わっていません。

TOEFLのスコアの違いには、言語的・歴史的要因が働いていると考えないわけにはいきません。

以上のことから、TOEFLの成績によって日本人の英語力を比較分析することはかなり難しいと考えます。

(終)

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