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留学体験談執筆A.Y.》

アメリカの大学および大学院への留学を考えている人なら誰でも耳にしたことがあると思いますが、リーディングの宿題について友人の体験を紹介します。

彼は、1学期にだいたい4単位の授業を3科目ずつとっていきました。

各科目ともたいてい、週に1回3時間の授業があって、各科目の先生が、1週につき100〜150ページぐらいのリーディングの宿題を出しました。

だから、全体では 300 ページくらい、多いときには450ページくらいの量になりました。

しかし、たまには「本1冊読んできなさい」ということもありました。

ときには、1科目で1週分のリーディングが700ページにおよんだこともありました。

こんなときは、アメリカ人の学生さえ「全部読んでいくのは、physically impossibleだ」と言っていました。

アメリカ人に不可能なのに、日本人に可能なわけがありません。

では、どうしたらいいのか?

とにかく、あらゆる手をつくしました。

まず、よほどのことがない限り、辞書を引くのをあきらめました。

日本人の留学生の中には、英和辞典を引きながら読んでいる人もいましたが、そんなことをしていては絶対に全部読みきれません。

それに、日本語でいくら意味がわかっても、授業ではまた英語で話をしなければならないので、いったん日本語に戻す作業はわずらわしかったそうです。

仮に辞書を使うにしても、英和ではなく英英辞典にしました。

細部はわからなくても気にしないで、とにかく前へ前へと読み進めました。

内容が理解できないことの落胆よりも、一つの論文にとりあえず目を通したという達成感のほうが大切だったと、彼は言っています。

それでも、宿題を全部よみきれないことがたくさんありました。

そんなときは、読んだところまでで勝負するしかなかったようです。

彼がとっていた科目の担当教授に、普段はとても物腰が柔らかく優しいが、宿題の量が多いことと、点数が辛いことで有名な先生がいました。

1週に200〜300ページは当たり前で、あるときは、本当に1週間で700ページ。

読むどころか、ページ数を数えるだけで、1週間が終わってしまいそうでした。

たまりかねて、彼は、この教授のオフィスを訪ねました。

「先生、このリーディングの量は多すぎて、僕にはとても読みきれません」教授は優しくこう答えました。

「わかるよ、うんうん。僕も学生の時には苦労したものだよ。でもね、私は君たちに、すべてを完璧に読んでくることを期待してはいないんだよ。大切なのは strategyをもつことなんだよ」

「例えば、skimするのもひとつの方法だね。それからグループスタディもいいよ。自分の割り当て分のところを読んできて、何が書いてあるのか報告し合うんだ。とにかく、できるだけ時間を有効に使って効率的に勉強する strategyを立てることだね」

skimということばは、彼も留学中に何度も耳にしていました。

日本語に訳せば「飛ばし読み」です。

みんな、気軽に「skimすればいい」というのですが、ネイティブならともかく、自分の英語力で飛ばし読みなどできるわけがない、と考えこれは最初からあきらめました。

そこで、教授が薦めるもう一つの戦略である「グループスタディ」をすることにしました。

彼と同じように困っていたクラスの学生に声をかけ、6人ほどのグループで勉強しました。

自分の割り当て分だけ読んできて、授業の前日に集まって、その部分に何が書いてあるのかを発表します。

自分の読んだところについて英語で説明しなければならないので、いい英語の練習にもなったし、より理解が深まったということです。

このように彼は、その時々で戦略を立て、リーディング地獄を乗り切ったのです。

こうした経験を通して、彼は、なぜこんなにたくさんのリーディングの宿題が出るのかわかった気がしたそうです。

彼によれば、これは実社会に出るための訓練なのです。

実社会に出ると、きちんと一つ一つこなしていては絶対に間に合わない量の仕事をしなくてはならない場合に直面します。

そんなときは、優先順位を考え、戦略を立てて、なるべく効率的に与えられた課題をこなしていかなければいけません。

アメリカの大学ではその訓練をしているのであり、大切なのは戦略をもって対応することなのです。


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