中級者編・耳よりな構文の話(2)執筆A.Y.》

抽象名詞構文(2)

英和辞典は、「意味」を伝える定義を記述しようとすれば膨大なページ数を要することになるので、英語を日本語に置き換えた「訳語」を並べざるをえませんが、それによる弊害はfailureやignoranceでみたとおり、抽象名詞において大きいのです。

だから、英和辞典を利用する際には注意が必要です。

抽象名詞は派生元の動詞(または形容詞)へ立ち返って考えると正確な意味をつかむことができます。

同じ置き換え訳の訳語であっても、動詞は弊害が少ないのです。

先に挙げた例のように、派生元の動詞型(または形容詞型)が前置詞句や不定詞をともなっていると、その派生名詞形である抽象名詞構文を複雑だと感じることが多いようです。

まずは、動詞型や形容詞型に習熟することが基本であるといえます。

抽象名詞構文に関して、日本人学習者の最も弱い部分といわれているものを取り上げます。

動詞派生の抽象名詞構文には、自動詞から派生したものと他動詞から派生したものがあります。

そして、他動詞から派生したということは、その抽象名詞には能動/受動といった「態」があるということです。

Despite a life devoted to helping the poor, she never won any recognition before her death.

このrecognitionについては、英和辞典にはたいてい「認めること」と能動の意味しか出ていませんが、英英辞典を引くと、the state of being recognized(認められている状態)と受動の用法が示されています。

そこで上の例文は「彼女は生前少しも認められていなかった」となります。

もう一つ例文を挙げます。

The desire for praise and the fear of blame may be greater than all other considerations.

文中のthe desire for praiseを「賞賛の欲望」としたのでは意味が不明確です。

しかし、このpraiseを「賞賛すること」としてもこの文脈では不適切です。

ここでは「(人に)賞賛されること」という受動の意味にとらえなければなりません。

ですから、the desire for praiseはthe desire to be praised、つまり「人にほめてもらいたいと思うこと」となります。

同様に、the fear of blameは「非難の恐怖」ではあいまいで、この文脈においてはthe fear of being blamed、つまり「人に非難されるのを怖がること」と受動の意味に理解するのが適切です。

このように、抽象名詞には受身があることを心に留めておくと英文読解で役に立つことがあるはずです。


耳よりな構文の話(3)」へ続く

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