日本語と英語のズレ(13)《執筆A.Y.》

今度は、英語の1語に対して日本語では複数の語が対応する例を取り上げます。

riceと「稲」「米」「ごはん」など,waterと「水」「湯」

riceには「稲」「もみ」「米」「ごはん、めし」「ライス」が対応します。

「米」と「ごはん」は状態による区別ですが、これはwaterに対する「水」と「湯」の区別にも見られます。

日本語の「水」は「湯」と区別されて冷たいものをいいますが、英語のwaterは温度と関係なく熱い「湯」も含みます。

「湯」に当たる1語の英語はありません。

The water isn't hot enough.やadd more water to the teaなどにおけるwaterは「湯」に相当します。

waterは「水」と「湯」の区別をしないので、区別の必要があれば形容詞をつけてcold water, hot waterとします。

「フロントですか。バスルームのお湯が出ません」というならIs this the front desk? There's no hot water in the bathroom.のように言います。

逆に、日本語には日常的な使用において「水」と「湯」を共通に指す語はありません。

horizonと「地平線」「水平線」,eraserと「消しゴム」「黒板消し」

horizonに対する「地平線」と「水平線」は、空に接して見えるものが陸地か海の違いです。

We could see a ship on the horizon.とWe could see a row of camels silhouetted on the horizon.では、前者のhorizonが「水平線」、後者が「地平線」に相当します。

主に使用場所による区別の例として「消しゴム」と「黒板消し」がありますが、英語ではこの両者にeraser(またはイギリス英語ではrubber)が対応します。

wallと「壁」「塀」,maleと「男」「雄」

wallに対しては、同じような建造物であっても、部屋などの仕切り面を考えるか、庭などの囲いとして設けたものを考えるかによって「壁」と「塀」が区別されます。

hang a picture on the wallとbuild a wall around the gardenでは、前者のwallが「壁」、後者が「塀」に相当します。

maleとfemaleに対する日本語は人間かどうかによって区別されて、それぞれ「男」と「雄」、「女」と「雌」となります。

Pictureと「絵」「写真」「映画」「イメージ」

「絵」「写真」「映画」はともに平面上に何かの像を表現したものに関係しますが、英語ではこれらにpictureの1語が対応します。

さらに、目で見るものだけでなく、心に描かれるもの=「イメージ」のような像にも用います。

I have a very vivid picture of the first time I met her.

cornerと「角」「隅」

「角(かど)」と「隅(すみ)」は、2つの線や面がある角度で出会う場所またはその突き出た部分を、外側から見るか内側からとらえるのかの違いですが、この両者を英語ではcornerの1語で表わします。

しかし英語でも連接する前置詞などの違いによってこの2つの意味が区別されるのがふつうです。

a store at/on the cornerとstand/sit in the cornerでは、前者のcornerが「角」、後者が「隅」に相当します。


「日本語と英語のズレ(14)」へ続く


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