日本語と英語のズレ(10)《執筆A.Y.》

これまで見たものの中にも、1語の日本語に対応する英語が複数になる場合がありましたが、さらにいくつか追加します。

「帽子」とcap/hat,「靴」とshoe/boot

「帽子」に対するcapとhatは、「野球帽」がa baseball cap、「麦わら帽子」がa straw hatであることからわかるように、形状による区別です。

「靴」に対するshoeとbootは、覆う範囲による区別です。

アメリカ英語では、boot(長靴)以外のものを全部shoeと呼び、特に区別するときは、くるぶしより上にくる靴(=深靴)はhigh shoe、くるぶしより下のものはlow shoeと区別します。

イギリス英語では、bootはhigh shoeおよびそれより長い靴を指し、shoeはlow shoeのみに使います。

「靴下」とsock/stocking,「時計」とwatch/clock、「羽」とwing/feather

「靴下」に対するsockとstockingも、覆う範囲による区別です。

ひざ下までの短い靴下がsock、女性用の薄くて、長さがひざの上までのものがstockingです。

「時計」に対するwatchとclockは、使用する位置の違いによる区別です。

置時計や掛け時計など、携帯用でないものがclock、携帯用のものがwatchです。

wing(飛ぶための器官=翼)とfeather(1枚の羽毛)はかなり異質のものですが日本語ではともに「羽」といいます。

これは全体と部分の関係といえます。

「描く」とdraw/paint,「かげ」とshade/shadow

「描く」に対するdrawとpaintでは用いる材料に違いがあります。

鉛筆・ペン・クレヨンなどで描くのがdraw、絵の具で描くのがpaintです。

その成果である「絵」とそれに対応するdrawingとpaintingについても同じことが言えますが、これらの総称としてpictureがあります。

「書く」と「描く」は文字上の区別ですが、一般的に「かく」といえば、絵だけでなく文字や文章などの言語的なものも含まれます。

英語では後者に対してはwriteという語が使われます。

shadeとshadowに対しても文字上では「陰」と「影」が対応しています。

「独身」とbachelor/spinster,「死体」とcorpse/carcass

日本語の「独身」には性別はありませんが、英語には「独身男性」と「独身女性」をそれぞれ指す語があります。

前者をbachelor、後者をspinsterと言います。

ただし、今では男女いずれにもsingleまたはunmarriedを用いて、a single/an unmarried man/womanのように言うのが普通です。

また、「死体」は人間かどうかで区別しませんが、英語にはこの区別があって、人にはcorpseを、動物にはcarcassを用います。


「日本語と英語のズレ(11)」へ続く


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