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コミュニケーションの上手なとり方(10)執筆A.Y.》

あやまり方(3)

日本では伝統的に、自分の過ちの理由を釈明するのは、男らしくないとか潔くないとみなされています。

もともと日本人のコミュニケーションでは説明はあまり好まれません。ことばを尽くして説明しようとすると、くどくどと弁解がましいと、ネガティブな印象をもたれがちです。

本来ポジティブな行為であるはずの説明が、弁解や言い訳というネガティブな行為にとられてしまうことが多いのです。

しかし欧米社会では、いわゆる「説明責任」が行政機関や企業だけでなく、一般の人々の暮らしにも浸透しています。

ことばを尽くして十分に説明し、相手を納得させることは、欧米社会に生きる人々のいわばライフスタイルになっているのです。

ですから、わびるという行為も、十分な説明を伴っていなければなりません。

わびるとは、相手との関係を修復するための言語行動です。

そのためには、なぜそういうことになったのか理由を説明し、相手に理解してもらうことが欠かせません。

英語文化圏では、説明や弁明はプラスイメージでとらえられることはあっても、日本のようにマイナスイメージでとらえられることは少ないのです。

ところで、日本語でも、苦情や悪い知らせなど相手を不快にさせるかもしれないことを伝えるときや、相手に面倒をかけそうなことを依頼するときなどは、いわばクッションのような役目を果たしてくれる前置きをして、衝撃や負担を直接相手に与えないように配慮をします。

そして、その前置きがおわびの表現というかたちをとることが少なくありません。

これは英語でも同じです。

こうした会話の工夫は、politenessための工夫と位置づけられ、ていねい表現の一種とみなされています。

つまり、おわびの表現にはことばをやわらげる機能もあるのです。以下のような定型表現があります。

I'm terribly sorry, but 〜

I'm sorry to have to tell you this, but 〜

I hope you don't mind me saying this, but 〜

I hate to have to say this, but 〜

I don't know how to tell you this, but 〜

I'm not exactly sure how to put this, but 〜

I'm sorry to bother you, but 〜

I don't want to trouble/bother/interrupt you, but 〜

I normally wouldn't ask you this, but 〜

このような前置きがないと、ことばが相手を直撃します。

日本語に比べて直接的な言い方をする言語だと信じられがちな英語ですが、ことばの衝撃を緩和するための、さまざまな工夫がなされるのは日本語と変わりません。


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