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コミュニケーションの上手なとり方(8)執筆A.Y.》

あやまり方(1)

自分に落ち度があるわけでもないのに、半ば反射的に「すみません」と言うのは、日本人によく見られる言語行動です。

こうした「すみません」には、自分を謙虚に見せる効果や、下手にでることにより相手を持ち上げていい気分にさせる効果があるといわれています。

これはいわゆるタテ社会の日本では不可欠の処世術といってもいいものです。

しかし、英語のコミュニケーションの中で、その日本語の感覚を引きずったまま、うっかり「すみません」を直訳してI'm sorry.と言ってしまうと、ネイティブスピーカーには奇異に聞こえ、「何も悪いことはしていないのに、どうしてあやまっているのか」と問われることになるでしょう。

また、例えば車の接触事故が起きた場合に、日本語の言語感覚でうっかりI'm sorry.と言ってしまうと重大な結果を招きかねません。

前述のように日本には、自分に非がなくても儀礼としていちおう「すみません」と言う言語文化があり、またその方が物事が丸く収まる傾向にあります。

言ってみれば日本人にとって「すみません」は社会の潤滑油なのです。

そのような日本人の発想に引きずられて、ついI'm sorry.と言ってしまうのです。

しかし、これは交通事故のような状況では、自分の過失を認めたことを意味するのです。

相手から損害賠償を求められることになるでしょう。

英語の感覚では、I'm sorry.は「私は自分の過失に対して非を認め、損害に対して責任を負います」という、かなり重い意味を含んでいるのです。

さて、英語でも日本語同様、おわびの表現は、多種多様で、その場その場で使い分けられています。

まず、Excuse me.のような許しを請う形でのおわびの表現があります。

このExcuse me.は英語文化圏の日常生活において頻繁に交わされ、社会の潤滑油の役割を果たしています。

公共の場などで、見知らぬ人同士でも盛んに軽い意味のExcuse me.をかけ合っています。

Excuse me.がよく使われるのは、軽いマナー違反をしたときです。

欧米では、あやまって人と体が触れたときはもちろん、触れそうになったときでさえ、わびるのが常識とされていて、そういうときにExcuse me.が多用されます。

人は自分のまわりに、心理的にも、空間的にも、他人に入ってこられたくない領域をもっていて、そこにあやまって侵入したことに対して謝罪しなければならない、つまり、Excuse me.という言葉によってわびなければならないという考え方が染み着いているからです。

人口過密の日本では、人にぶつかったときでさえ、あやまらない人が少なくありませんが、日本人が人にぶつかっても知らん顔で行ってしまうことを多くの欧米人は不快に思うでしょう。

このようなときにExcuse me.を使うことは、欧米文化圏でのコミュニケーションでは欠かせないマナーです。

ほかに、咳、くしゃみ、げっぷ、しゃっくりなど体から発する音は、相手に不快感を与えると考えられていて、そういう音を発したときには、Excuse me.ということばが条件反射的に口をついて出るように子供のときからしつけられているそうです。

また、人の前を通るときも前述の領域への侵入になるので、この場合もExcuse me.が必要です。

軽いマナー違反のほかに、他の人に呼びかけるとき、特に見知らぬ人に呼びかけるときにExcuse me.をよく使います。

この場合、呼びかけの後に続く行為が、相手に多少とも面倒をかけることなので、それに対して許しを請うことばを先行させるというわけです。

Excuse me, could you tell me how to get to the Takashimaya Department Store?


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