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日本語と英語のズレ(11)《執筆A.Y.》

「木」とtree/wood

対応する英語が複数になるものの続きです。

「木」に対するtreeとwoodは状態の違いといえます。

treeは「樹木」「立ち木」、woodは「木材」を指します。

つまりtreeを切って加工したものがwoodです。

建築用に製材した「材木」はlumber/timberと言います。

「豚」とpig/pork,「牛」とox/beef,「羊」とsheep/mutton

「魚」もfishも、また「鶏」もchickenも共に生き物にもその肉にも用いられますが、pig, ox/cow, sheepなどの肉には別に語があってそれぞれpork, beef, muttonと言います(ただし、pigにはporkの意味もあります)。

日本語でも、「豚肉」を「豚」とはいえますが、「牛肉」の場合は「うし」とは言わず「ぎゅう」と別の音を使いますし、「羊肉」では「マトン」という外来語を用いて区別することもあります。

「豚」とpig/hog,「牛」とbull/ox/cow

pigは「豚」を表わす最も一般的な語ですが、アメリカ英語では多くの場合「子豚」を指し、成長した豚にはhogを用いるのが普通です。

さらに、食肉用に去勢した雄豚をhog、去勢しない雄豚をboar、雌豚をsowと区別することもあります。

一方「牛」については、去勢していない雄牛がbull、食用または労役用に去勢された雄牛がox、雌牛がcow、「子牛」がcalfです。

「はやい」とfast/early,「遅い」とslow/late

「はやい」に対するfastとearly、「おそい」に対するslowとlateは、動きの速度と時間による区別といえます。

日本語でも漢字の「速い」と「早い」、「遅い」と「晩い」によってその区別に対応させることがあります。

「ひげ」とmustache/beard/whisker

「ひげ」には、位置の違いによってmustache, beard, whiskerが対応します。

日本語でも複合語で、あるいは漢字で、それぞれ「口ひげ」(髭)、「あごひげ」(鬚)、「頬ひげ」(髯)と区別することがあります。

「客」とvisitor/guest/customer/client/passenger

「客」には「訪問客」の意味のvisitorまたはcaller,「招待客」または「宿泊客」のguest,「顧客」のcustomer,「乗客」のpassengerなどが対応しますが、これは外から来る人の目的による区別といえます。

商店などで物を買う客のcustomerに対して、弁護士・会計士・銀行などに仕事を依頼してサービスを受ける客のclientの区別もあります(ただし、銀行に来る客をcustomerと言うこともあります)。


「日本語と英語のズレ(12)」へ続く


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