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英語のコラムを読む執筆A.Y.

ある程度まとまった長さの英文を読んで、全体として言わんとするところは何なのか、著者は読者に何を伝え、何を訴えようとしているのか、その真意をきちんとつかむ。

単なる英文解釈から、そういった本当の意味での英文読解にいたる一歩は、決して小さくはありませんが、その一歩を踏み越えるためのトレーニングの素材としてお薦めなのがアメリカの雑誌や新聞のコラムです。

コラムの英文は、多くの読者を念頭に置いているだけに、内容も表現も、現代の英文として、きわめて標準的なものです。

コラムの英文がきちんと読めるようになれば、自分のリーディング力が一応実際の役に立つレベルに達したと考えてもいいでしょう。

また、それほど長くない分量で、内容が完結しているという点も、コラムがリーディングの素材として好都合なところです。

一口にコラムといっても、その文章にもいくつかタイプがあります。

まず、著者がある見解を論理的に展開し、読者を説得しようとする論説調の文章です。

論理が軸になっているので、文章の流れが比較的ストレートで、構成もきちんとよくまとまっています。

英文の内容を的確につかむトレーニングの素材として最初に手をつけるのは、このようなタイプのコラムが適切です。

ここで紹介したいコラムニストがSydney J. Harrisです。

1917年生まれの彼は40年以上にわたって、The Chicago Sun TimesにStrictly Personalというコラムを書き続けました。

彼のコラムは穏健な良識を率直に語るところに特徴があり、その文章もまことに明快で平明です。

ペーパーバックでは「Best of Sydney J. Harris」という本が出ています。

次に、いわゆる語りタイプの文章もあります。

もちろん虚構の物語ではなく、あくまでコラムのエッセイなので、著者が自ら体験したエピソードや出会った人物などを語る文章で、日本でふつう「随筆」と呼んでいるものとほぼ同じです。

読者に対するスタンスも、論説調の文章とは違って、読者を語りの中に引き込み、感覚的・情緒的に共感を得ようとするものです。

そういうタイプのコラムの名手として紹介したいのがBob Greeneです。

彼は1947年の生まれで、ハリスや後述のラッセルより一世代若く、青春時代にヴェトナム戦争を経験した世代に属します。

彼の得意とするところは、対象に対するこまやかな愛情と、全体を貫く淡いペーソスにあります。

特に、「名もない人々、弱い立場にある人々のうちに、きらりと光る人間らしさを発見し、その感動を物静かに描き出す」ところが彼の真骨頂です。

代表的な作品としては「Cheeseburgers : The Best of Bob Greene」がお薦めです。

それから、これは文章のタイプではなく、表現の技法、または効果に関わることですが、ウィットや逆説をポイントにした文章もあります。

ジャンルとしては論説調のタイプに属しながら、ストレートな論証ではなく、逆説を駆使して読者を説得しようとするものもあれば、ユーモアあふれる語りというものもあります。

ここで紹介したいコラムニストがRussell Bakerです。

彼は1931年の生まれで、長くThe New York TimesにThe Observerというコラムを書き続けてきました。

何度かピューリッツァー賞を受けていて、アメリカを代表するコラムニストの一人といえます。

彼の文章は、一枚ひねりがきいていて、ウィットや皮肉、さらには逆説に満ち、やや読みづらいのですが、それだけに面白味の濃厚な文章です。

実際、彼の本領とするところは、論説の類のエッセイよりも、むしろ、「ほとんどファンタジーと呼びたいタイプの奔放な」コラムです。


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