単語の意味はどうして増えるのか(2)執筆A.Y.

さらに「働き手」という意味は、人は主に手で仕事をすることから生まれた意味です。

日本語でも「手が足りない」という言い方をしますが、それを英語でもWe are short of hands.と言います。

「手」が「人」を表わすように、「部分」で「全体」を表わす比喩は提喩と呼ばれています。

sail(帆)が「船」、bread(パン)が「食べ物」、roof(屋根)が「家」の意味になるのも提喩です。

このように、比喩は単語の意味が増える大きな原因となっていますが、英語を勉強するときには、日本語と英語の比喩の違いが単語の意味を覚えるときの難点にもなります。

しかし、見方を変えれば、日英間の違いを知ることによって英米人のものの見方を知ることができるので興味深いことだとも言えます。

今度は別の場合についてみてみましょう。

例えば、paperという単語の意味として、「紙」「新聞」「答案用紙」「書類」「論文」「レポート」などが辞書には載っています。

これも一見ばらばらの意味のようですが、そうではありません。

paperのいちばんもとになる意味は「紙」であって、この単語は昔西洋で紙を作る材料になったパピルスという草の名からきています。

文明の発達や職業の分化によって紙の使われる範囲が広がるにつれて、どんどん意味が増えていきました。

つまりpaperは、新聞業界では「新聞」(newspaper)を、学校では「答案用紙」や「レポート」などの提出物を、学者の社会では「論文」を、会社や官公庁などでは「書類」を指すようになったのです。

このように特定の社会で特有の意味で使われること(これを意味の特殊化と呼びます)によっても、単語の意味はどんどん増えていきます。

例えば、billという単語もそうです。

もともとは「書きつけ」という意味の単語ですが、レストランなどでは「勘定書き」を、銀行では「紙幣」を、議会では「法案」を意味します。

それから、婉曲語法によって単語の意味が増える場合があります。

婉曲語法とは、遠回しにものを言う言い方のことです。

どこの国のことばにも、人前をはばかってあまり用いられない単語があります。

そのような場合には、他の単語や遠回しな表現使って代用します。

例えば、日本語でも「便所」とは言わずに「トイレ」とか「お手洗い」と言うことが多いのですが、英語でも「トイレはどこですか」というのは、公共的な建物ではWhere is the rest room/men's room/ladies' room?と言い、個人の家であればbathroomなどを使います。

あるいは、Where can I wash my hands?と別の言い方をすることもあります。

この場合、men's roomなどには特別の意味が加えられたわけで、このように婉曲語法によっても単語の意味は増えるのです。

以上、単語にいくつもの意味があること(これを多義と呼びます)の原因をいくつか述べましたが、実はこれ以外にも、歴史の流れの中でことばが変化していく間にさまざまな理由で単語の意味が増えたり、変わったりします。

それでは多義語の意味はどうやって覚えるのがいちばんよいのでしょうか。

一言で言えば、文の中で覚えることです。

単語の意味は文の中に入ってはじめて決定されるので、英文を読みながら、その単語を含むフレーズまたはセンテンスごとに覚えていくのがいちばんよい方法でしょう。

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