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お薦め教材・上級者編・英文解釈(2)執筆A.Y.》

同じような頭の働かせ方は、文が-ingで始まる場合についても示されています。

つまり、この-ingを動名詞と考えて文の主語ととるか、あるいは分詞構文の分詞と考えて修飾要素ととるか、それによって後の続き方を予測し確認するのです。

さらに、whetherで始まる節が先頭にくる文についても同じように、この節を名詞節→主語と解するか、副詞節→修飾要素と解するかによって後続の部分を予測しながら読んでいくのです。

こういったことは通常の参考書であれば、to不定詞の名詞的用法と副詞的用法、動名詞と分詞構文、名詞節と副詞節といった別の領域の中で、しかも、読み方としてというよりも、文法事項として扱われてしまうような事柄でしょう。

それに対して「英文解釈教室」は、英文を読むというプラクティカルな視点から、領域の違いを超えて現れる共通の「頭の働き方」、つまり「主語のカタマリ→Vの予測」と「修飾要素のカタマリ→S+Vの予測」という読み方を提示しています。

また、先ほどのTo master English is not easy.とTo master English you must work hard.という2つの英文を、次のように解説している英文解釈の本があるとすれば、その本は「英文解釈教室」のもつ、「流れ」の重視という精神から最もかけ離れていることになるでしょう。

「このto master Englishは名詞的用法のto不定詞で文全体の主語で、その述語動詞はisである。したがって「英語をマスターすることは」と訳す」

「このto master Englishはto不定詞の副詞的用法で「目的」を表わすので、「英語をマスターするためには」と訳す。文全体の主語はyouでその述語動詞はmust workである」

確かに結果としてはその通りですが、それは「読む」という現象に密着したプロセスの説明ではなく、単なる結果の提示にすぎません。

to masterが目に入った時点でどのように予測し、その予測はどこで(どうやって)確認するのか、といった説明こそが、多くの学習者(特に直読直解を目指している学習者)が欲し、かつ必要としているものなのではないでしょうか。

「英文解釈教室」は、単なる結果の提示ではない、そのような思考の流れを解説した初めての参考書だったのです。

そして「予測とその確認」という読み方の提示こそ、「英文解釈教室」を類書から明確に区別するものなのです。

ただ結果を示すだけの解説と、結果へのたどりつき方(その具体的なプロセス)を明示する解説との差は、あまりにも大きいといえるでしょう。


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