お薦めペーパーバック(2)執筆A.Y.》

John Grisham

刑事事件を担当する弁護士だったジョン・グリシャムがThe Firmで大ブレイクしたのは1991年、以後、大ヒットメーカーとしてアメリカの読書界に君臨しています。

The Firmをはじめ、The Pelican BriefThe Clientなどは映画化され日本でも公開されています。

5冊目のThe Rainmakerでは初版280万部という初版部数新記録を樹立し、とにもかくにも、圧倒的な売れ行きで、これまで本を買わなかった人たちも書店に引き寄せたと言われるくらいの超ベストセラー作家になりました。

グリシャムの小説はいずれも大作ぞろいで、書店で実際に手にとってみると、この分厚い本を読み始めるのには、かなりの決意と覚悟が必要なように思われますが、いざ読み出してみると、ほとんど苦労を感じさせません。

その理由の一つは、プロットの巧みさとスピード感です。

絶叫マシーンのごとく結末へと一気に駆け抜ける、波乱万丈の物語のスリリングさを形容するのに「ジェットコースター・ライティング」という言葉が生まれたのも、グリシャムの小説からだと言われています。

次に、テーマとして、人々の間で一番ホットな関心事(黒人差別、マフィア、環境汚染問題、政治汚職、公民権運動、タバコ有害訴訟問題、など)を取り上げていることがあります。

そしてグリシャムは、これらをテーマに、豊富な専門知識と事実に基づいた証拠資料を駆使して、真実味あふれるエンターテイメント・サスペンスに仕立て上げています。

グリシャムの小説は、リーガル・サスペンスと呼ばれるもので、経済や金融、法律関係の特殊用語が出てきますが、読みやすくわかりやすい英文で書かれています。

このこともまた、彼の本が売れる要因といえるでしょう。

さて、グリシャムの12作目に当たるA PAINTED HOUSEでは大きな変化がおきました。

何とこの小説には、弁護士も裁判官も登場しないばかりか、陰謀や社会問題もまったく描かれていません。

これは、グリシャム自身の子供時代の回想録とも思える、七歳の少年が大人に脱皮していく過程を描いた片田舎の物語なのです。

再びもとの路線に戻るのか、それとも文芸路線へと転向するのか、グリシャム・ファンにとっては、今後の彼の動向が気になるところです。


「お薦めペーパーバック(3)」へ続く

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