訳と意味の理解(6)執筆A.Y.

訳す前に理解しよう(1)

直訳は逐語訳とも言われ、原文にある単語を1つ1つそのまま訳す訳し方です。

例えば、What can I do for you?を「私はあなたのために何をすることができますか」などと訳すことです。

これに対して原文の意味内容に重点をおいて、「何のご用ですか」とか「どんなご用件でしょうか」などと訳すことを、意訳を言います。

この例からもわかるように直訳をすると何を言っているのかさっぱりわからなくなることがあります。

特に慣用的な言い回しになればなるほどこの傾向が強まります。

例えば、店でのMay I help you?を「いらっしゃいませ」、"Dad, I'm going to Tom's house."に対する"Okay, but don't be too long."を「わかった。だけどあまり遅くならないようにね」と訳すのはみな意訳です。

これらを直訳しても意味がありません。

以上のことからもわかるように、訳は常に意訳であるべきです。

英語を学習する立場から考えてみると、私たちは日本人ですから英語を聞いたり読んだりした場合、その意味内容さえわかれば日本語への意訳は比較的簡単にできるはずです。

意訳は表面の字句にとらわれる必要はないからです。

逆に日本語から英語にする場合には、それほど簡単にはいかないかもしれません。

しかし日本語の意味内容が明確になっていれば、それにできるだけ近いことを表わす英語表現を自分の手持ちの中から探し出すことができるはずです。

問題は、自分の言いたいことにどれだけ近いことが言えるかということです。

内容を伝えることに重点を置けば、たとえ複雑な日本語であてもなんとか英語にすることができるはずです。

これまで述べてきたことから、訳の正しさは、程度の問題であり絶対性がないということ、そして、訳すということは、文脈から判断して原文にいちばん近い表現を探すことであるということが言えるでしょう。

訳すには原文の文脈や意味内容がはっきりと理解できていなければならないのです。

英語を学習する際に、特に英文和訳を通して英語の意味を理解することが一般に行われています。

もし意味の理解が日本語の訳によってのみ行われるとしたら、それは望ましい方法ではありません。

なぜならば、訳はあくまでも原文の意味の近似値にすぎませんし、また、訳の固定化、公式化のためにとんでもない間違いを起こすことがよくあるからです。

よくわからない英文は、訳に頼るのではなく、その文の意味内容そのものがはっきり理解できるように努める必要があります。

そのためにはまず文脈に注目する習慣をつけることです。

問題になっている文の、前後の文に注意を向けるようにしましょう。


「訳と意味の理解(7)」へ続く

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