雄弁な英語の動詞《執筆A.Y.》

日本語では、ある動作を描写するとき、動詞に副詞のような修飾語句をつけることで細かいニュアンスを表現しますが、英語では、動詞そのものに細かいニュアンスが含まれていることも多いのです。

簡潔なことばの中に豊かなイメージが込められているのです。

そういう意味で英語の動詞の表現力には驚かされます。

例えば、いろいろな「笑い方」を表わす動詞について、辞書を引いてみましょう。

laugh「声を出して笑う」

smile「声を出さないでにっこり笑う」

grin「声を立てずに歯を見せてにっこり笑う」(さらに、「smileよりも口を左右に大きく開いて笑うこと」という注までついています)

giggle「クスクス笑う」(「特に若い女性の笑い方」という注がついています)

chuckle「クスクス(クックッと)笑う、ひとり笑い(含み笑い)する」

sneer「せせら笑う、あざ笑う」

guffaw「ガハハとばか笑いする、げらげら笑う」

chortle「得意げに(うれしそうに)高笑いする」

smirk「にたにた(にやにや)笑う」

titter「忍び笑いをする、クスクス笑う」

これらの訳語を見ると、「笑う」という、たった1語の動詞を処理するのに、辞書を作る人たちがいかに苦心したか、その跡がしのばれます。

「声を出して/歯を見せて/得意げに/うれしそうに」「ひとり/含み/せせら/ばか/高/忍び」のように説明を付け加えるか、「にっこり/クスクス/クックッと/ガハハと/げらげら/にたにた/にやにや」のように擬声語・擬態語を持ち込むか、そのどちらか、あるいは両方の手段に頼るより仕方がないのです。

もう1つ、さまざまな「歩き方」を表わす動詞にも豊かなイメージがこめられています。

stride「大またで歩く」

tip-toe「つま先で歩く」

stomp「どしんどしんと歩く、足を踏み鳴らして歩く」

plod「とぼとぼと歩く、重い足どりで歩く」

stagger「ふらふら(よろよろ)歩く」

stroll「ぶらぶら歩く」

swagger「ふんぞり返って歩く」

toddle「よちよち歩く」

trudge「とぼとぼ歩く、重い足どりで歩く」

strut「気取って歩く、もったいぶって歩く」

ほかに、簡単なものだけでもmarch, pace, step, wanderなどあって、とても挙げきれません。

このように、英語の動詞の中には、1語や2語の日本語ではなかなかそのニュアンスを伝えにくい動詞がたくさんあります。

例えば"I'll miss you"というときのmissは、この短い動詞1語だけで「人がいなくて寂しく思う」という意味を表わしているのです。

ですから、辞書を引いて動詞の意味を調べるときには、細かいニュアンスにまで十分注意を払う必要があります。


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