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中級者編・耳よりな発音の話(2)執筆A.Y.》

弱形のhave(2)

もう一例挙げると

You should've married her.

のshould'veという短縮形のveを聞き落とす日本人は多いのではないでしょうか。

だとすると、marriedの最後のedも聞き逃して、これをYou should marry her.と聞いてしまうかもしれません。

もしそう聞いたとすればこれは大変な間違いになります。

話し手は「結婚すべきだったのに」という非事実、裏を返せば「結婚しなかった」という過去の事実を表現しているのに、聞き手はshould marry「結婚すべきだ」と、これからのことを言っているのだと思って聞くことになります。

大変な錯覚です。

この聞き間違いは致命的なことになりかねません。

私たちは「should + have + p.p.で過去の事柄に対する非難や後悔を表わす」というような捉え方に慣れてしまっているので、耳で英語を聞いた場合にも、should-have-marriedと一語一語はっきりと発音してくれるものと思いがちです。

また、たとえそれを聞き取っても、与えられた3つの単語を組み合わせて、これは過去の事柄に対する非難や後悔を表わすのだと判断していたのでは、その間に発話のほうはどんどん先へ進んでいってしまうことになります。

should + have + p.p.のhaveは、あいまい母音の-aとなってわずかにその痕跡をとどめているだけの場合も多いのです。

ですから、ネイティブスピーカーはshould + have + p.p.といった大げさな単語の連結と受け取っているのではなくて、/d/とか/v/といった、ちょっとした子音の響きによって「これは事実か非事実か」といった判断を瞬間的にくだしていると考えられます。

一般に「助動詞+have+過去分詞」は単語の集まりとして分析したり再構成したりしながら聞くのではなく、信号を反射的に聞き取るような感じにならなくてはだめなのです。

この部分は、単語の集まりとして意味を考えながら一語一語聞くのではなく、極度に簡略化された1個の信号として瞬間的にそのメッセージを理解するという態度でなくてはならないのです。

そして、そういう反射的な能力の確立は、組織的な練習をつむことによって、ある程度は達成できるはずです。

(終)

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