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わけのわからない文法用語(1)執筆A.Y.》

文法用語はわかりにくい。

そう考えている人は多いと思います。

正確に言うと、文法用語の日本語はわかりにくい、日本語であるはずなのに、日本語で理解しようとするとわからなくなる、そういうものがあまりにも多すぎる、ということになるでしょうか。

以下に、わけのわからない文法用語をいくつかあげてみたいと思います。

冠詞

なぜ「かんむり」なのでしょう。

a, an, the はどういう意味で「かんむり」なのでしょうか。

an apple のan は apple に対して少しも「かんむり」の役割を果たしていません。

apple の左側に置いてあるだけです。

おそらく、これを「一つのりんご」と訳して縦書きにすると、「一つの」は「りんご」の上に来るからでしょう。

しかし、英語は横書きです。

日本語も最近では横書きが多くなりました。

「冠詞」という用語は不適切ではないでしょうか。

目的語

これは、まったくもって理解不可能です。

「こういう目的があって」とか「こういった目的で」という言い方が日本語にはありますが、こういった表現から「目的語」ということばの意味を理解することは不可能です。

中国語で object を「目的」と訳すことがあることからこうなったといわれていますが、意味がわからないので本当に困ります。

不定詞

「不定」ということばもさることながら、「不定詞」についての説明がわかりにくいのです。

まず〈to+動詞の原形〉を「不定詞」という、と教わります。

そのあと、「to不定詞」が出てきて、これは〈to to +原形〉なのかと思うとそうではありません。

次には、「toのない不定詞」や「はだか不定詞」が出てきます。

不定詞から to がなくなればただの原形ではないのかと思うのですが、よくわかりません。

さらには、「原形不定詞」が出てくるに及んで完全に混乱します。

「原形」との違いがわからないのです。

分詞

もとの英語は participle で、participate と関係があるのですが、なぜこれが「分詞」と訳されたのか、その経緯はわかっていません。

おそらく、こう訳したのは中国だろうといわれています。

本来「もともとは動詞であるが形容詞の役割を分担する詞」を徹底的に縮めたものですが、こういう縮め方は中国語が得意とするものだそうです。

「現在分詞」「過去分詞」という用語も、何も説明してくれない用語です。

なぜ「現在」なのか、なぜ「過去」なのかがわからないのです。

最近は「ing形」と呼ぶことが多くなって、「現在分詞」という用語はあまり使われなくなってきていますが、「過去分詞」はまだ生き残っています。

譲歩

広辞林(三省堂)によれば「自分の主張の一部または全部を引っ込めて、相手の主張を受け入れること」とあります。

もちろん、こういう意味であることは誰もが知っています。

しかし、例えば Though he had a bad cold, he went to work. の though で始まる節が「譲歩節」であるというのが、どうしても納得できません。

何を「譲歩」しているのかがわからないのです。

ほかにも、「現在完了」の「継続用法」―終わっているのに続いている???―や、「未来完了進行形」―まだ来ていないのに終わっている、終わっているのにまだ続いている???―というとんでもない用語もあります。


「わけのわからない文法用語(2)」へ続く


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